イタリアン・ドルチェ② | Patissier(パティシエ)@MJの今日も90%

イタリアン・ドルチェ②

CANTUCCIO(カントッチョ)
 
 
イタリア・トスカーナ地方の伝統的な焼き菓子です。
イタリア各地にいろいろな焼き菓子・クッキーがありそれらはビスコッティと呼ばれます。

ラテン語の 「ビス」「コット」(二度・焼く)
からきていて、英語だとビスケットですね。


練り生地をオーブンで一度焼き、荒熱を取った後に切り分けたものをまた焼いてカリカリに
仕上げるんです。
こうすると より保存性が高まるという利点があります。


 特にトスカーナ地方で古くから食べられているものは CANTUCCIO(カントッチョ)と呼ばれ
 こちらの意味は『端』、パンの切れ端という意味。焼いたパンの端を、もう一度焼いてお菓子に仕上げたのかな?

 

トスカーナのカントッチョは、小麦粉と砂糖、卵、アーモンドにオレンジピール を入れて焼き上げるものが定番らしいです。


取り合わせは非常にシンプルなものですが、香ばしいアーモンドと、かすかなオレンジの風味が心地よいものです。


そして特徴的なのは、そのまま食べるのではなく、食事のシーンにあわせて、色々な飲み物に浸して食べるという点。

朝食時なら、カプチーノやカフェラテに浸して。
コーヒーとミルクがしみこんだカントッチョは、優しくおなかに染み渡ります。

イタリアでは朝に甘いパンとカプチーノをあわせるのは、とてもありふれた光景です。

夜は食後のドルチェに浸して。ワインですね。とても相性がいいです。
 
 

ほとんど水分が飛んでしまっているカントッチョには こうして食べると一風変わった朝食やデザートとして楽しめると思います。


今回僕が提供しているものはオレンジピールなどは入れませんでしたが、フォカッチャと同じくスパイスを聞かせたり、中に入れるアーモンドをへーゼルはピスタチオなどに、あわせる具を替えてコーヒーやワインなんかと食したらまた楽しいだろうなぁ。