誉め言葉? | Patissier(パティシエ)@MJの今日も90%

誉め言葉?

まず先に作り手である僕がお客様や消費者の皆様に
生意気な意見を記す事をお許しください。



昨日のテレビ番組であるスイーツ特集をやっていたので
当然興味があり見ていました。
そのスイーツを紹介する進行でタレントさん達が誉め殺しコメントを発言しあうんですが
気になる発言があります。


某イケメンタレントさんが美味しい、旨いは当然だろうが
「あっ、これおいしい!甘くない!」


スイーツ=甘味の特集に「甘くないから美味しい」って・・…


彼は甘くないのが好みなのでしょうか?

どういう表現か?
単にボキャブラリーがないのか?


思っていたより甘さがなく食べやすいデザートはありますよ。
しかし… 


我々パティシエとって、いや和菓子職人、又は外食産業、製菓メーカーさんは
「甘味」を売る職業だと僕は思っています。



確かに伝統的なケーキを忠実に作り食べても現代人の口には合わない事も多い。
だから今、職人達は試行錯誤し良い甘さを模索している。


甘味=甘さに神経を使い、砂糖にこだわりを持つ。
素材の美味さを引き出すのも我々の仕事。


う~ん?なんていうのかな?
嗜好品を売る商売なので作り手の自己満足のあるかも知れないし、当然お客様のお口に合わないスイーツもあるでしょう。


ですがやはり僕らも調整しているわけですよ。地域の人の好みを時間をかけて。


その中で甘さを抑えたクリームがあったり、チョコレートの「えぐ味」を出したり、フルーツの酸味を出したり、
ハーブの香りをつけたり、他にもいっぱい「味」があるけど、必要な甘さを加えて様々なアイテムが生まれてくるのです


甘味が強く使用量が少量でいいフルーツシュガーなど使い、カロリーなんかも考慮しているショップも多いですよね。


ここ数年でスイーツブームが巻き起こっていますが、作り手が必ずしも「甘さを控えて」いるわけではないと思います。


甘いから美味しいのであるスイーツ。
僕はそう思います。


メディアで取り上げる美味しい甘味の表現は様々ですが一言目に
「あんまり甘すぎないですねぇ~!」の誉め言葉はいかがかなぁと思いました。